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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

羽前の新庄

惜しい気がする。品物は山形市のみならず県外にもなかなか出てゆく。

羽前の新庄

羽前の北端は最上郡である。郡の町は新庄である。ここは更に北の横手を指す線と、左へ折れ余目に達する線との分れ目である。冬は雪に深い。この新庄の町はずれの東山に窯が二つある。開窯してより九十八年と聞いたからそう古い窯場ではない。技を九州に学び磁器を試みたが失敗し、結局土焼で仕事を続けるに至った。今日作るものと焼き始めた頃のものと、さしたる相違はないと思える。それほど作るものは時代離れがしている。湯通し、蓋附土鍋、蓋無土鍋、捏鉢、水甕いずれも特色がある。最近マンガンを使い出してずっと格が落ちたが、近在から得る鉄分のある釉を用いたものは甚だいい。それも特に海鼠釉になったものは見事である。形が純朴で貧しさからくる美しさがある。地方窯の魅力にはしばしばこういう性質がある。この窯で焼く蓋なしの土鍋は非常に形がいい。いつも三重ねにして売る。いずれも底に三つ足がついている。明かに鉄鍋の痕跡と思えるが、面白い事に三つの足は習慣に過ぎなく、底よりも上についているので用をなさない。だが陶工たちは知ってか知らぬか、元通りに必ず三つ足をつける。