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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

南国の朝鮮だという感が深い。長い土橋を渡ると道は丘に上る。古びた孔子廟を中心にして村の家々は斜面に群る。この村で見た書堂は忘れ難い。内地の古老から話に聞く寺小屋より、もう一時代前のものとさえ思われる。温突部屋二た間に溢れるほどつまった小童が、あぐらをかいて身体をゆすぶって大声を挙げながら素読の雑唱をやる。きっと身体を振る、大声を出す、そうして勝手に読む、時には喧嘩を交える。先生の煙管が頭にぴしゃりと来る。こういうやり方が、此処では今も素晴らしく活きている。一言で後れたやり方だと看過ごせるであろうか。

この部落の竹細工は全村の分業で、割る家、削る家、編む家、梳櫛を組む家、焼絵を施す家、いずれもそれぞれの専業に分れる。どの家も別段仕事場らしい室があるのではなく、銘々の部屋が直ちにその仕事場である。此処では家庭と仕事とが二つではない。

ある櫛を作る家を訪ねた。四畳ほどの温突部屋に朝鮮着物の三人の女たちが余念なく櫛を編んでいる。その様子はどうしても唐時代の絵としてより以外に受取れない。一番小さな女の児の桃色の着物が、暗い室を明くした。何をしているか分らぬほどの手早いその技、ここにも手工の奇蹟が働く。