轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいねん
青年
「昴」1910(明治43)年3月~1911(明治44)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 页
それを五官を以てせずして感ずるので、道を背後から歩いて来る友達が誰だということは、見返らないでも分かると云った。純一は五官を以てせずして、背後に受ける視線を感ずるのが、不愉快でならなかった。
幕が開いた。覿面に死と相見ているものは、姑息に安んずることを好まない。老いたる処女エルラは、老いたる夫人の階下の部屋へ、檻の獣を連れて来る。鷸蚌ならぬ三人に争われる、獲ものの青年エルハルトは、夫人に呼び戻されて、この場へ帰る。母にも従わない。父にも従わない。情誼の縄で縛ろうとするおばにも従わない。「わたくしは生きようと思います」と云う、猛烈な叫声を、今日の大向うを占めている、数多の学生連に喝采せられながら、萎れる前に、吸い取られる限の日光を吸い取ろうとしている花のようなヴィルトン夫人に連れられて、南国をさして雪中を立とうとする、銀の鈴の附いた橇に乗りに行く。
この次の幕間であった。少し休憩の時間が長いということが、番附にことわってあったので、見物が大抵一旦席を立った。純一は丁度自分が立とうとすると、それより心持早く右手の奥さんが立ったので、前後から人に押されて、奥さんの体に触れては離れ、離れては触れながら、外の廊下の方へ歩いて行く。