轻松读懂日语经典作品
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
それは最近ある外国人から手に入れたもので、話に聞いただけでも、非常に珍らしい石であることが想像された。是非一度拝見したいと云うと、それでは晩餐会にお出でなさい。必ずお見せしますと、とうとう今晩引ぱり出されることになったのだ。
子供達を同行することは、一応辞退したけれど、牛原氏が承知しなかったし、そればかりでなく、暫く消息を絶ってはいるが、例の復讐鬼がいつ魔手を伸ばさぬとも限らぬので、一家の者が少しでも離れ離れになることを避ける為に、かくは四人一緒に出かけて来たのである。
牛原氏が一人舞台で、みんなを笑わせたり、謹聴させたりしている内に、食事は終った。
「それでは、例のダイヤモンドをお目にかけましょう」
食卓の白布が取除けられると、牛原氏は立上って別室に退いたが、間もなく、天鵞絨張りの小函を持って帰って来た。
「これです。一つお目利きが願い度いものです」
待兼ねていた玉村氏は、直様その小函を受取って蓋を開いた。
五つの頭が、四方から小函の上に集る。
電燈の光を受けて、ギラギラと、火の様に燃え輝くそら豆大の見事な宝石。古風なロゼット型の十カラット以上の品だ。