轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
その巨人は、手型の高さから想像して少くも七尺に近い身長を有し、常人の一倍半の手の平を持った、怪物でなければならない。
「どこかに間違いがある。そんな怪物が、この厳重に密閉された部屋に出入したなんて、それが巨人であればある程、愈々不可能なことだ。馬鹿馬鹿しいことだ」
と人々は彼等のこの驚くべき空想を打消そうと力めた。ところが、この空想が満更ら空想でないことが、更らに別の方面から分って来たのだ。それが、つまり第三番目の発見である。
で、第三に分ったことは、裁判所の一行が来着するのと前後して、各新聞社社会部夜勤記者の一団が、福田邸の門前に殺到して、あわよくば犯罪現場に闖入せん勢で、探訪秘術を尽していたが、その内の一新聞記者が、鋭敏な探訪神経によって、一つの重要な新事実を発見し、その報を波越警部に齎したのである。(この記者は右の手柄の引替えに、最も詳しく、犯罪前後の事情を聞出すことに成功した)
福田邸は東京市西北郊外の、ある閑静な地域にあって、門前は自家専用の通路の外は、広い空地になっていた。その空地が、一般街路に接する所、即ち福田邸専用通路のはずれに、時代に取残された人力車夫のたむろする、みすぼらしい掘立小屋がある。