轻松读懂日语经典作品
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
怪文字
(右の記事のあとには、明智小五郎の略歴、探偵手柄話、親友波越警部の談話等記しあれど凡て略す)
読者諸君は右の記事を読んで、事の意外に一驚を喫せられたことであろう。物語はまだ始った計りだ。それに、主人公である筈の明智小五郎は死んでしまった。これはどうしたことだ。これからあとは、一体誰が兇賊を向うに廻して戦うのかと、いぶかしくも思われるであろう。いやいや、そんな馬鹿なことがあるものか。明智小五郎は死ぬ筈がない。この人気者はまだ死んではならないのだ。新聞記事は何かの間違いに相違ないと疑いを抱かれる読者もないとは云えぬ。だが、それは物語りが進むに従って判明することだ。作者はただ世に現われた事実を語る外はない。
で、新聞記事が嘘でなかった証拠には、その後何の取消し記事も出なかったばかりか、明智小五郎の溺死体は、旧友波越警部の自宅に運ばれ、立派な葬儀が営まれた程で、世人は誰一人之を疑わず、名探偵非業の最後を惜しまぬ者はなかったのである。
怪文字
さてお話は、それから数日の後、大森の山の手にある玉村氏本邸の出来事に移る。
玉村邸は人家を離れた丘陵続きの広大な持地面の真中に、ポッツリと建っている。