轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
そのさきにつるしてある小鈴は、客の出入りを知らせるベル代りのものか。
「遊びは気分よく遊んだほうがいいからね。金はオールナイト並みにしてもいいさ」
口にくわえた「敷島」を、砂馬は口からじかに、ぺっと下に落して、靴先でたたきににじりつけた。
「あんた方、ブショウシ?」
「負勝師」のバクチ打ちかと、俺たちは見られた。
「もととちがってこのごろは、みなさん、三つ揃いを召してらっしゃるのね」
和服でなく背広を着ているという意味である。
「ありがたいね。そう見てくれたか」
と、砂馬は笑った。こういうあばずれなら、こいつをたきつけて、望み通りの面白い遊びができそうだと砂馬はほくそえんでいる。
俺はこのとき、まずいものを見てしまった。いや、なに、女の立て膝の奥を見たというのではない。
足もとの土間に、ラーメンの丼が二つ重ねて、じかに置いてある。それが俺の眼に映った。それだけならいいんだが、食べ残しのそのおつゆのなかに、煙草の吸殻が捨ててある。紙の腹が切れて、ふやけた臓物がきたならしくはみ出ている上に、抜け毛を丸めたのまでが、べたりとくっついている。風で飛びこんだのか。それとも、これもわざと捨てたのか。