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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
新鋭潜水艦
アンダーソン教授は、その反駁にも一切応うところなく、只一回の発表で、あとは沈黙してしまった。新聞記者は直ちに教授の研究室へ駈付けたが、教授の姿はなく、その行方は知れなかった。研究室の友人の話では、もう三週間も前から教授に会わないそうであるし、研究室も鍵が懸ったままで、一人の助手さえも残っていなかったという。
新鋭潜水艦
ヤクーツク造船所製の耐圧潜水艦ウラル号が大西洋へ乗出したのは、アンダーソン教授の生理電波説の発表があってから、更に一週間の後のことだった。
このウラル号は、ソ連船員によって運転されていた。
そしてこの潜水艦には十人の外国人が特別に乗組んでいた。その人たちの顔触れは、ワーナー博士と二人の助手、アンダーソン教授とその三人の助手、それからドレゴ記者、水戸記者、それにエミリーだった。ケノフスキーもその一行に加わっていた。
この顔触れによって、この潜水艦ウラル号が一体何の目的あって大西洋へ乗出したか、その理由が想像できるであろう。
世界に今も存在する少数の歪んだ視力の持主たちは、このウラル号を見て、ふしぎな感を懐くことであろう。これこそ呉越同舟だというかもしれない。