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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

現場に到着して発見したものは、潜水服に身を固めた三人の人間――ワーナー調査団員だけだった。彼等は直ちに艦内へ収容された。

三人は救助されると、一せいに気を喪ってしまった。が、すぐ潜水服を脱がせて、手当を加えたので、間もなく息を吹きかえした。

二人の助手と、ホーテンス記者だった。

「いや、ひどい目に遭いましたよ。何しろ言葉が通じないのでね。一番困ったのは食事だった。妙なものを食わせられた。嘔きそうになるのを、むりに嚥みこんだ。死んではならないと思ったのでね……」

と、ホーテンス記者は、すっかり憔悴した顔に、持前の不敵な微笑を浮べて語り出した。

「今から十時間ばかり前のことでしたよ。僕たち三名は一旦脱がされていた潜水服を着せられ、それから外へ出されたんです。おやおや、どうするつもりかなと思っていたら、それから暫くして彼奴等の船――怪人城塞てぇやつですかね――それがすうっと浮き上った。僕たちがあれよあれよと見まもっているうちに、あの船はだんだん上へあがってしまって、やがて見えなくなったんです。誰か知っていますか。あの化物たちの船の行方を……」

誰もそれに応える者はいなかった。