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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

新鋭砕氷船

「よろしい、ではこの好ましき仲間のためにもう一度それを述べよう、今日握った新しい事実も加えて……」

といって気軽に語り出した。

新鋭砕氷船

「水戸君には話しておいたことだが、あの怪汽船ゼムリヤ号はソ連船なんだ」

と、ホーテンスは語り出してドレゴの顔を見た。ドレゴは血色のいい顔で肯いて、それは聞いて知っていると応えた。

「ほう、知っているんだね。よろしい、ではそれから先の資料だ。水戸君も愕くことがある筈だ、なぜといってこのゼムリヤ号は、調べれば調べるほど、なかなか興味ぶかい船だからね」

水戸が酒壜を持ってホーテンスの盃に琥珀色の液体を注ぎそえた。

「有難う。まず君達を喜ばせるだろうと思うことは、あのゼムリヤ号は最新鋭の砕氷船だということだ」

「砕氷船! そうか、砕氷船か」

聞き手の両人は、目を瞠った。

「それも並々ならぬ新機軸を持った砕氷船なんだ。この船は、外部から氷に押されるとだんだん縮むのだ。船の幅で六十パアセントに圧縮されても沈みも壊れもしないで平気でいられるという凄い耐圧力を持った砕氷船なんだ。こんな新機構の船が今までに考えられたことを聞かないね」

「ふうん、凄い耐圧力だ。