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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

水戸は、それを拡げて見ていたが、やがてにやりと笑って、それをドレゴに返した。

「この手紙を書いたのは女だよ」

「へえ、女か、どうしてそれが分る」

「とにかく女だと分る。しかしこの警告は、果してこの女から出たか、それとも他に糸を引張っている者があるかどっちか分らない。それはそれとして、われわれは今まで少し呑気すぎたよ。これからはもっと注意を深くせにゃならない」

水戸は、そう言ってドレゴに警告した。

「おお君たち、わが艦隊の勢揃いを見て愕いたですか」

背後から声をかけられて、ホーテンス記者がやって来たのだと気がついた。

「わが艦隊?」

ドレゴが目を丸くした。

「ああ、あれだ。駆逐艦らしきものが三隻、こっちに潜水艦が二隻……」

水戸は数えた。

「そのとおり。われわれはこの調査の遂行に万全を期している。用意は周到である。しかし君たちは、あまり大袈裟だと笑うだろう」

ホーテンスがそういった。ドレゴと水戸とは共に頭を左右に振った。

「もう調査は始まっているの」

ドレゴが訊いた。

「観測はもう始まっている」

「何か手懸りになるようなものが出ましたか」

と、水戸がたずねた。

「いや、まだまだ。