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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
大海底に着く
「どうもそれはおかしい。原子爆弾でなくて如何なるものがあんなひどい破壊を生ぜしめるでしょうか。いや、これは素人考えに墮していますかな」
博士は黙ってホーテンスに対していたが、それから暫くして口を開いた。
「だからわしは、明日海底へ下りることに決心したわけだ」
ホーテンスは目をぱちくりしたが、すぐ気づいて肯いた。
「なるほど、そうでしたね……いや、僕は今までなんだか原子爆弾の幽霊だけに取憑れていたようだぞ、はて、これはどうしたことだ」
大海底に着く
その翌朝、ドレゴは水戸に附き添われて、ワーナー博士の許へ行った。ドレゴは都合により、今日の海底探検に同行することを辞退したいこと、それから彼は出来るだけ早くこの調査団から離れて、アイスランドへ戻りたいことを申述べた。
博士は、それを聞くとすぐ諒解した。そして護衛艦の一隻が今日、アイスランドへ引返すことになっているから、それに便乗して行ったがいいだろうといって呉れた。そして博士はドレゴがなぜ急に予定を変更したかについて一言も訊きはしなかった。水戸は、博士の肚の太さに対し畏敬の念を生じた。
実はドレゴが急にこんな翻意をするようになったわけは、その前夜、アイスランドから一通の無線電信を受領したことに拠る。