轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
看護婦もそのあとについて、ドアの外に姿を消した。
何だか変な具合だ。この重態の病人を放って置いて、冗談らしく笑いながら出て行くとは、この医者はどうかしているのではないかしら。
ベッドの病人を見ると、やっぱり瀕死の形相物凄く、今にも絶え入り相にうめいている。
「三笠さん、苦しいですか。もう少し先生にいて頂く方がよくありませんか」
三笠探偵のしなびた顔を覗き込んで訊ねると、老人は幽に首を振って、
「イヤ、き、きみに、すこし、話したい、ことがあるので、あの、ひとだちに、座を、はずしてもらったのだ」と、息切れしながら、やっと云った。
それから、骨ばっかりの様な手を挙げて、例の窓の方を指さしながら、
「カーテンを……」
と云う。
「カーテンをしめるのですか」
ああ、やっぱりあの人影に気づいていたのだ。あの二つの目が怖いので、カーテンをしめよという意味に違いない。
守は立って行って、二つの窓のブラインドをおろし、その上にカーテンを注意深く引き合せて、元の椅子へ戻った。
「すき間のない様に、だれも覗かない様に」
病人が念を押すので、もう一度立って、どこにも隙間のないことを確めて帰った。