轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
屋内はもう十分調べられた。余す所は煉瓦塀の内側の荒れ果てた空地だ。空地は家屋の正面と南側とを囲んで、百坪程もあったが、その大部分が、膝までもある雑草に埋まっていた。
詳しくは夜の明けるのを待って調べる外ないのだけれど、幸、本署からは暗中の捜索を予想して、光度の強い手提電燈を用意して来たので、それと三箇の懐中電燈によって、兎も角も一応、叢の中を歩き廻って見ることになった。
一同二組に分れて、叢の両方の端から始めたのだが、相川青年は司法主任の組に加わり、強力な手提電燈を振りかざす刑事のうしろから、まるで彼自身、日頃あこがれの探偵にでもなった気持で、猟奇心に燃えながら、ついて行った。
夜露の降りた叢の踏心地は、決して気味のよいものではなかった。電燈の光はほんの一局部しか照らさない。その影がチロチロと動いて行く下に、今にも血みどろの死骸が現われはしないかと思うと、何でもない木切れなどを踏みつけても、ゾッと身がすくむのであった。
「ひどい荒れかたですね。東京の真中に、こんな化物屋敷があるなんて、嘘みたいですね」
「不思議に買手がつかないらしいんだね。何でも自殺者があって、そいつの怨霊が現われるって云うんだが。