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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
「イヤ、御説の通りです。さっそく東京へ誰か出かけてもらって、定夫の身辺を洗わせましょう。それから、もう一つ、さきほど申したように、目下の我々に課せられた宿題は、安彦氏の出征当時、すくなくとも成人後の正確な身長を知る方法がないか、ということだ。我と思わん勇士は名乗りでゝくれ」
誰も返事がない。
大矢主任はガッカリして、言った。
「捜査、行きづまり、かね。ニッチもサッチもいかなくなったぜ。なんにもしないワケにもいかないから、倉田家を訪問してみよう。倉田由之と由子は、事件当夜、催眠薬でモーロー状態の時、取調べただけだったが、今日はひとつ懇談と洒落てみよう。昭和十七年当時の由之の妾の所在は判明したかね」
一人の中年の刑事が返答した。
「昭和十七年の事件の時刻に倉田が居たと申し立てている妾宅の主は、土肥トミ子と云いまして、当時二十五、今は三十になってるわけです。横浜の喫茶店に働いてたのを目にとめて、倉田が会社の事務員に採用したのがトミ子の二十一の年で、その翌年には社をやめさせて、本格的にかこっております。トミ子は終戦の春、各地の空襲が激しくなってから、実家へ疎開しました。