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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
第十五章 美津子の二度目の訊問
浮かない顔は巨勢博士である。
「君は何を考えこんでいるのだい?」
私がこう云うとビックリして顔をあげ、
「ハ? イヤ、すみません。全然バカの一念ですよ。ボクはこれから、倉田家へピストルをさがしに行ってきます」
「隠し場所が分ったのかい」
「いいえ。五里霧中です。しかし、このピストルは追っかけざるを得ませんや。では、夕方まで失礼します」
と、ピストルを探しに消えてしまった。
第十五章 美津子の二度目の訊問
九月二十二日。美津子を退院させるという報せが病院長からとどいた。
我々は彼女を病院からまもって倉田家へ直行、美津子の部屋で訊問するのだ。
大矢捜査主任はニコニコと
「お嬢さん、警官というものを怖がらないで下さいよ。どうも、怖がられたり、憎まれたり、悲しくなりますよ。ちかごろ流行の言葉の通り、最も従順な公僕と思って下さい。それにしても、もとのお丈夫なお身体になれて、結構でした。二枚の手型がどこにも見当らないのですが、どこか本の中へでも蔵ったのではありませんか」
「いゝえ、そんなことはありません。このテーブルの上へのせて眺めていたのです」
「すると、お嬢さんが昏酔されてから、この部屋へ忍びこんだ者があるわけですな。