轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
第十八章 九月二十三日午後八時半―十時
ヤケに書きなぐったと見えて、大半の字が裏がえしになっている。
そのほかの三人は、字はタドタドしいが、裏がえしの文字はない。
「じゃア、この字が一番似ているかい」
と、定夫のを示すと、
「イヤア、似てるッて、みんな似てるじゃありませんか。とても見当がつけかねますよ」
と、さすがの分別人も頭をかいた。
そこで我々は警察へ戻った。
第十八章 九月二十三日午後八時半―十時
夕食後も私たちは捜査本部で主として安彦の身長の問題で時間を忘れてアレコレ討議した。かりてきた写真を検討したが、そこから正確な身長を推定するのは、どうしても不可能らしい。
「身長以外のことで、安彦氏の真偽の判定を下す方法はありませんか。たとえば、常には片仮名でしか字を書かなかった安彦氏が、漢字で書いたという点ですね」
と、私もいささか思いあまって、大矢捜査主任にきいてみた。
「それが問題のところですよ。しかし、哀れなるかな、大事の紙キレの姿が消え失せているのです。盗まれた、と分れば、却ってハッキリしますが、たかが紙キレですから、知らずに掃きだすのも自然です。ハッキリ盗まれたと分れば、これは誰かの企み深い仕業で、犯人の作為と断じることもできますが、ふだん片仮名で書いていたから、常に片仮名で書くという証拠にはならない。