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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
倉田の家人に分らぬように、姿を隠して、張りこんでくれよ。今が八時三十五分だ。八時三十五分に見張が中絶して、君たちが到着する八時四十五分か五十分ごろまで、倉田家の人の出入は不明ということになる。急いでくれよ」
三村、山口両刑事は急いで出かけて行った。入れ違って、今まで張りこんでいた二人が帰ってきた。
大矢主任は労をねぎらって、
「ヤア、すまんな。実は、さっき、張込みを止めさせます、と約束したんだが、わざと忘れたフリをして帰ってきたのだ。せめて、君たちに、姿を隠して、さとられないように張りこめと注意してくればよかったのだな。しかし、今じぶん、誰に姿を見られたのだい」
「滝沢三次郎が帰ってきたのです。八時二十分ごろでした」
「ヤ、御苦労、々々々。今日は、もう、帰って、休息したまえ」
「ハ。では、出入者の控えをここに残しておきます」
二人の刑事は、それぞれメモを清書して、それを主任に提出してから帰っていった。
まもなくフラリと警察医が捜査本部へ顔をだした。本来はこの町で評判のよい開業医だが、道楽と正義感で警察医もやっている変り者なのである。この人の処置がよかったから、美津子は命をとりとめたようなものだ。