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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
巡査は切なそうにモトとスミ子の顔を見た。モトとスミ子も切なそうに何か訴えそうであったが、大矢警部はクルリと背を向けて、熱心に屍体を調べはじめた。待機していた警察医と鑑識係が、活動をはじめる。死因は射殺。戸外から射たれており、ガラス窓に弾の通過した孔が三つある。二弾は胸部に、一弾は腰部に射ちこまれていた。
「被害者は寝床にはいって本を読んでいたんですな。犯人は外から声をかけたらしい。カーテンはおろされていない。窓には内側から鍵がかゝっています。被害者は本を伏せて起き上り、窓際まで来たところを、射たれたのですね。犯人はすくなくとも窓から一米半、二米以上はなれて発射したと思いますが」
三村刑事が言った。大矢警部も窓をメンミツに調べていたが、
「君は爆風のことを考えているのだね」
「えゝ、まア、そうです。一米半以内だったら、ガラスが破れると思いますが。もっとも、このガラスは、厚い。それにしても、爆発の力はうける筈だ」
「それは実地にたしかめてみれば結論はでるだろう。あした、ピストルを窓の外からブッ放してみることさ」
部屋の造りは洋風、洋窓であったが、内部は畳が敷かれている。