轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
そんなことは、信じませんよ、という顔付だった。
「ところがですな。安彦氏は他殺だというのです。しかもですな。犯人を見て、知っているというのです」
「それはフシギですな」
滝沢は考えこんだ。
「イヤ、どうも、信じられません。犯人を見ているならば、それを言わなかったことがフシギです。私の記憶に誤りがなければ、アレを自殺と称したのは、義父ではなくて、安彦さんだったはずです。私は今、思いだしましたよ」
「あなたは安彦氏の復員について、何か感想はありませんか」
「べつにありません。たゞお気の毒な、と思いましたよ」
「困ったことになったと思いませんでしたか」
「なぜでしょう。べつに困ることがないではありませんか」
「この家には禁制品が山のようにありますな」
「いろいろと仕事の上のツキアイがありまして、仕方なしに買いこんだものです」
「仕方なしにね」
「その通りです。あるいは、又、先方が、そういう品物で支払いをするから我慢しろ、とくるでしょう。これは尚さら、仕方がありません」
「これらは、あなたが買ったのですか」
「私です。倉田組の仕事は云うまでもなく義父がサイハイをふるっていますが、コマゴマしたことは私の一存で処理していますから、あんな物品の売買ぐらいでしたら、義父の耳に入れずに私だけでやるのです」