轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

「労働文化」労働文化社、1950(昭和25)年9月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,840 字 · 88 页

青空文庫

ゆくさきざきで、たちまちその支配役が手を挙げるのである、躰操をするのではなく降参するという意味で。

「どうかあの男をほかへやって下さい」

こう悲鳴をあげて、その役所の奉行職とかまたは係りの重職に泣きつくのである。

「あの男は役所の中をめちゃくちゃにしてしまいます、襖も障子もめちゃめちゃ、畳は塵だらけ、茶をこぼす湯沸しをひっくり返す、筆を踏み折る机を蹴とばす、事務もなにも出来たものではありません、お願いです、私を助けると思ってあの男をほかへやって下さい」

「どうぞ来て見て下さい御老職」こう訴えて来る者もあった、「――お手間はとらせません、いらしってひと眼で宜しいから御覧下さい、私の役所がどんなありさまになっているか、……でなければ私を免職にして下さい」

畢竟するに泰三は山治家におけるが如く、その進退動作を派手にやるわけであった。困ることには彼には藩主が付いている、山治家へ預けたのも長門守知宣の直命であるし、満信城代へも「特にめをかけよ」という内達があった。だからこそ城代は初めに泰三を呼び、そこになんらか特別任務があるのではないかと聞いたわけである。……どうもしようがない、眼をつぶって他の役目に就かせる、そしてまた他の役目へ。