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にっき

日記

宮本 百合子

18 一九三一年(昭和六年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 12,519 字 · 26 页

青空文庫

八月三日

朝八時すぎ、一旦おきたが、体がつかれてつかれてやりきれず、一日床にいた。

中江、引きあげた。ケンテイをうけるのだそうだ。又安ベエと三人。まことに心持よし。家の中がしっとりした。そして、みんなで手伝うからいい。

Yと落合の方へ行って、机、三円十銭で買った。二十銭という。オヤ、だって、本日特売デーとあるじゃないの、マケちゃえマケちゃえ! それで、これを書いている。その位心持がいい。それに下だから心持がいい。二階、アツイし、砂カベがおちるし、イヤ。

八月三日(月曜)晴。

エジソンが暑気当りで重体だそうだ。人見絹枝が死んだ。二十五歳。ブルジュアスポーツで死んだようなものだ。が、しかし、何故彼女には可愛いところがなかったろうか。

○下の六畳に机をおいた工合なかなかよろしい。二階とは比べものにならぬ、落付く。

○午前十一時セミの声頻りなり。ヤルタで蝉が鳴くとよろこんだのや、黒いダッタン人の子、ネムの花、夾竹桃の花思い出す。松の生えた崖、下に見える海など。

○子宝幼稚園の消費組合の会へゆく。Tの細君曰ク「うちは消費組合運動に不賛成ですよ、小売商人がこまるからって――」