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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

この必然さが仕事に無理を与えず、穏やかさを与えているのです。ですから貧しいのに、決して貧しさを恥じているのでもなく、さりとて貧しさをわざと標榜しているのでもなく、ここにこれらの雑器の動かす事の出来ぬ強みがあるのを感じます。貧しさなどと申しますと、如何にも暗い消極的な性質だと考えられましょうが、かえって本当の富はこのうちにひそむのではないでしょうか。宗教では東西を問わず、「貧の徳」を讃えましたが、そこには当然の理がひそむのです。それを逆説的な表現ですが「貧の富」と呼んでよいでしょう。この「貧の富」が多々良窯の品にはあるのです。

聞くところによりますと、これらの品の多くは、土地では今でも物々交換の形で、はけているのだそうです。私はまだ詳にはしませんが、九州は真宗の信心の盛んな所ですから、あるいはこの村にも、この庶民の仏教が活きていて、醇朴な信仰生活が、村人の間に行われているのかとも想像されるくらいです。

都会の人たちには色が暗かったり、用途が遠かったりして、縁が薄いものに思われるかも知れませんが、何か吾々の心にそくそくと迫ってくるものを感じさせるのは、そこに何か本当の美しさが宿っているからだと思われます。