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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

ところがこんな心境が、いたずらに新しさを求めてあせる作家たちの心より、もっと自由なものを与えているのだと思われます。

私どもから見ますと、何か大いに特色のある焼物なのですが、その特異な形態にすら、ほとんど無関心で作っているのです。一々主義主張で作ったりする近代の知的な作家たちの心境とは、凡そかけ離れたものです。しかし考えますと、この新旧の差などにこだわらずに作るということが、この作に自由を与え、こんな特色あるものにさえ、特色があるという意識をすら与えずにすんでいるのです。これがまた工人たちの心に静けさや自由を与えているのだと思われます。窯の人たちは、きっとこんな一文を読んだら怪訝な想いをさえ抱くでしょう。田中さんが窯を訪ねた時、「何のためにきたのか」と不思議そうな顔をしていたそうです。私どもからすると、こういう所が何か醇乎たるものが、昔のままに保たれている証拠だと思われてなりません。

またこういう品を見ると、如何にも色が暗くて、彩りがなく明るいものを好む近代人からは馬鹿にされましょうし、またこんな品を讃める吾々も攻撃されるかと思いますが、しかしこんな静けさ質実さこそは、高い美鑑賞が落ちついてゆく境地ではないでしょうか。