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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

そんな場面は日本のどの県のどの市や町に行っても見られません。地方的な芝居一つだってほとんどない有様ですが、沖縄ではそれが日々のことなのですから驚きました。それがまたとても美しいのですから尚更のことであります。

民謡も日本では、地方によってかなり盛ですしまた佳いものがありますが、しかし沖縄の前に出ては、到底比べものにならないことを知りました。特に八重山の如きは、民謡の王国といってもよいでありましょう。何しろ沖縄の音楽や踊は日々の暮しの中に滲み込んでいて、むしろ暮しがそれらのものの中にあるのだといってよいと思います。近頃の東京などでは、音楽は音楽会の音楽で、家庭の音楽ではありません。まして日々の暮しが音楽の中にあるのではありません。バッハとかベートーベンとかを云々する知識人は多くても、それは生活とは別のことで、何か遠いものです。ところが沖縄では音楽や踊が身に滲み渡っていて、それがない所に、暮しがない有様です。これを見ていると、吾々は何か音楽についての考えを改めねばならないように強く感じました。

それにつれても非常に私どもの心を惹いたのは、詩歌と音楽と舞踊とが、まだこの島では一体になっていることでありました。