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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
七
以外に仕事の生命はないのであります。
七
あの貧しい絵土瓶がどうしてこんな境地に達し得るのでありましょうか。それは自分に引っかかる要のない仕事だったからともいえましょう。また貧しい雑器のこととて、とりわけ執着すべきものが始めからなかったことにも依りましょう。同じものを何個も描くので、ついに何も忘れて描き得るまでに達するからともいえましょう。この自分を忘れること、何を描くかをさえ意識しないまでに至ること、これが心をまた仕事を自由にさせます。上手に描こうとか、下手ではいけぬとかいう心の束縛から解放されます。ここで無碍な仕事が現成致します。自由となれば昨日や明日の反復には拘束されません。今描く事実より他にないのであります。「随処に主たり」という趣きが現れます。
反復は一面退屈に違いありませんが、退屈を忘れさすのが、また反復の不思議とも申されましょう。工人たちは決していらいらして仕事は致しません。すぐ厭きたりだれたりは致しません。坦々とただ仕事を致します。禅でいう「事なき」仕事となります。反復が退屈になる場合は、自分と仕事とが二つに別れる時であります。ところが工人たちは反復する仕事に自分を任せるため自分を静かにさせます。