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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

鳥越の竹細工

在来の形は素晴らしくいいのだから、塗りで一段と活かしたい。

鳥越の竹細工

ここは陸中国二戸郡浪打村字鳥越小字八木沢である。福岡に行く街道筋から一里ほど手前の所を左に折れてこの村に入る。ここを訪ねたのは村の多くの男たちや女たちが作る竹細工を見るためであった。竹といっても寒い北国には太い男竹は茂らない。山から切ってくるのは径四、五分もあろうか、細い篠竹である。土地では黒竹と呼ぶ。皮が黒ずんでいるからであろう。自然の威圧は材料を制限する。だがこの不自由は一面から見れば、南国には見ない材料を与える。だから他の暖い国では生れない固有の工藝が与えられる。それをむしろ自然の恵みだと考えることが出来よう。不自由だと嘆くのは人間の我儘な嘆きであって、むしろ自然の仕組みの不思議さを讃える方がいい。陸中の竹細工はどこにもない独自の存在である。その形や編み方は細い竹からのみ来る必然な結果である。だからここで独自の美しさが生れる。その美しいものの数々がこの村で出来る。一戸や福岡あたりの荒物屋を訪うと、面白い方言で色々とこれらの竹細工を扱うのを見るであろう。八戸あたりにも販路が広がり盛岡や日詰の町々にも出る。