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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
それは石見では小ものを焼かないからである。茶碗、湯呑、皿、小鉢、土瓶、土鍋等、家庭で一番つかうものを石見では見捨てている。
私からすればこれは大きな落度である。一番土地の者が需要する器物の大部分を省みていないのである。窯にゆけば石見の焼物に逢える、だが石見の家庭でそれが見られるのではない。
土が適しないのか、そうではない、その土でおそらく何でも出来るのである。職人がいないのか、そうではない、練習さえつめばあの腕で何でもこなせるであろう。焼く場所がないのか、そうではない、大ものを焼く間に小ものを入れる個所はうんとあるのである。だが総ては習慣である。瓦と大甕と、壺と、すり鉢とがほとんど一切である。文明は進んでゆく、甕や壺の需要は将来、今までのように莫大ではない。石見の焼物は方向をかえる必要がある。
今は絶好の一転機である。ただ惰性で動くなら、あの立派な石見の窯場はやがて見すぼらしいものになるであろう。石見を愛する者は、その焼物の将来を考えていい、見ようによっては行く先は洋々としている、なぜなら新しい未開地の領域がその製作を待っているからである、石見三十余万の家庭が器物の供給を待っている。