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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
二
誰も想い惑う者はない。樺は古語では「かには」といい、これが後に「かば」となったものだと思える。そうしてこれは桜を意味していたから、「かば」の言葉は既に古い使用である。樺即ち樺桜は、広い意味での山桜である。それも山桜の皮を用いる細工である。これがさきにも述べた通り、秋田県羽後国仙北郡角館で珍らしい発達を遂げた。
何もこれだけが羽後の固有な工藝だとはいえない。だがこの国の特産を何で一番代表させるかというと、誰でも樺細工を挙げるであろう。それほど仕事が盛であり、技においても他国の追従を許さない。樺細工こそは、角館が誇っていい、日本固有の産物である。世界のどこへ出しても差支えはない。町の内外に住む工人の数は現在四百五十人にも及ぶという。
二
桜のことは、花でその名が高い。大和心にそれを譬えた和歌は子供ですら知っている。画家はまたどんなにそれを画題として好んだであろう。模様にも広く取り容れられた。木材としては、目がつんでいるので、とりわけ版木に悦ばれ、好んで彫師がこれに刀をあてた。家具にしたとて膚艶がいい。
だが樺細工は皮細工である。桜の皮が有つ特別な性質が、この工藝を招いたのである。