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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
羽後の栗沢
出来るものは荒っぽい。だがそれだけに中から素晴らしい味のが出てくる。形は決して痩せていない。釉がたっぷり乱暴にかかっている。外は多く柿釉、内は海鼠釉で色がなかなか美しい。無造作な所が品物に力を与え景色を添える。もとより田舎の勝手道具ばかりであるから小品はない。飯鉢、片口、甕、壺、大鉢、擂鉢等を作る。出たものを選べば窯毎に一つや二つの名器は必ず得られるであろう。
雪に深い所とて冬は休み、年に五、六回焚けば仕事に忙しい方である。年の半は農事で暮れる。今は六室も有つ窯一個だが、昔は三窯だったというから、相当近在を潤おしたものと思える。歴史は詳でないが凡そ百年ほどだと土地ではいう。詳しくは仙北郡南楢岡村である。それ故近在では「楢岡もの」で通る。格からいうと北国の窯ではこの窯のものが一番力強く朝鮮の会寧や明川に負けない立派なものが出来る。
羽後の栗沢
楢岡より更に北に上る事数里、同じ仙北郡豊岡村字栗沢に世に匿れた一窯がある。二里ほど隔たる角館町に多少荷を運ぶが、しばしば運ぶ程の荷さえもなく近村に消費される。半農半陶で、それも一家族で支えている窯だから品数が少い。