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いきにんぎょう
活人形
泉 鏡花
「探偵小説第十一集 活人形」春陽堂、1893(明治26)年5月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,111 字 · 82 页
「己もさ、狒々や巨蛇なら、片腕で退治て見せらあ。「我だって天狗の片翼を斬って落すくらいなら、朝飯前だ。「ここにも狼の百疋は立処に裂いて棄てる強者が控えておると、口から出任せ吹き立つるに、得右衛門はあてられて、「豪気々々、その口で歩行いたら足よりは達者なものだ。さあ行こうかい。といえばどんじりの季武が、「ところが、幽霊は大嫌否さ。「弁慶も女は嫌否かッ。「宮本無三四は雷に恐れて震えたという。「遠山喜六という先生は、蛙を見ると立竦みになったとしてある。
「金時ここにおいてか幽霊が大禁物。「綱もすなわち幽霊には恐れる。といわれて得右衛門大きに弱り、このまま帰らんは余り腑甲斐無し、何卒して引張り行かん。はて好い工夫はおっとある。「どうだ。一所に交際ってくれたら、翌日とは言わず帰り次第藤沢(宿場女郎の居る処)を奢ってやるが、と言えば四人顔見合わせ、「なるほどたかの知れた幽霊だ。「この中に人を殺したものは無いから、まず命に別条はあるまい。「むむ、背負てくれがちと怪しいが、「ままよ行こうか、「おう。「うむ。と色で纏まる壮佼等、よしこの都々逸唱い連れ、赤城の裏手へ来たりしが、ここにて血の痕途断れたり。