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いきにんぎょう
活人形
泉 鏡花
「探偵小説第十一集 活人形」春陽堂、1893(明治26)年5月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,111 字 · 82 页
十一 みるめ、かぐはな
呼吸が詰る、これさ。「鶏が鳴いても放しはしねえ。早く追い出しておしまいなさい。「水を打懸けるぞ。「啖い附くぞ。「苦、痛、ほんとに啖ついたな。この狂女め、と振払う、むしゃぶりつくを突飛ばす。がたぴしという物音は皿鉢飛んだ騒動なり。
外に窺う、八蔵、銀平、時分はよしとぬっと入り、「あい、御免なさいまし。」
十一 みるめ、かぐはな
「はい、光来なさいまし、何ぞ御用。と得右衛門居住い直して挨拶すれば、女房も鬢のほつれ毛掻き上げつつ静まりて控えたり。銀平は八蔵に屹と目注せして己はつかつかと入込めば、「それお客様御案内と、得衛の知らせに女房は、「こちらへ。と先に立ち、奥の空室へ銀平を導き行きぬ。道々手筈を定めけむ、八蔵は銀平と知らざる人のごとくに見せ、その身は上口に腰打懸け、四辺をきょろきょろ見廻すは、もしや婦人を尋ねにかと得右衛門も油断せず、顔打守りて、「貴方は御泊ではございませんか。と問えばちょっとは答せず、煙草一服思わせぶり、とんとはたきて煙管を杖、「親方、逢わしておくんねえ。と異にからんで言懸くれば、それと察して轟く胸を、押鎮めてぐっと落着き、「逢わせとはそりゃ誰に。