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いきにんぎょう

活人形

泉 鏡花

「探偵小説第十一集 活人形」春陽堂、1893(明治26)年5月3日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,111 字 · 82 页

青空文庫

十六 ※(「口+阿」、第4水準2-4-5)呀!

と引入れて、門の戸はたと鎖しければ、得右衛門はおどおどしながら、八蔵を見て吃驚仰天、「やあ此方は先刻の、「うむ、用があるこっちへ来いと、力任せに引立てられ、鬼に捕らるる心地して、大声上げて救いを呼べど、四天王の面々はこの時既に遁げたれば、誰も助くる者無くて、哀や擒となりにけり。

十六 ※(「口+阿」、第4水準2-4-5)呀!

今は悪魔ばかりの舞台となりぬ。磨ぎ清したる三日月は、惜しや雲間に隠れ行き、縁の藤の紫は、厄難いまだ解けずして再び奈落に陥りつ、外より来れる得右衛門も鬼の手に捕られたり。さてかの下枝はいかならん。

さるほどに得三は高田とともに家内に入り、下枝は居らずや見えざるかと、あらゆる部屋を漁り来て、北の台の座敷牢を念のため開き見れば、射込む洋燈の光の下に白く蠢くもののあるにぞ、近寄り見れば果せるかな、下枝はここにぞ発見されたる。

かばかり堅固なる囲の内よりそもいかにして脱け出でけん、なお人形の後より声を発して無法なる婚姻を禁めしも、汝なるか。と得三は下枝に責め問い、疑を晴さんと思うめれど、高田はしきりに心急ぎて、早くお藤の方をつけよ。夏とはいえど夜は更けたり。