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いきにんぎょう
活人形
泉 鏡花
「探偵小説第十一集 活人形」春陽堂、1893(明治26)年5月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,111 字 · 82 页
十七 同士討
誰だと思う、ええ、つがもねえ、浜で火吸器という高田駄平だ。そんな拙策を喰う者か。「まあまあそう一概におっしゃらずに、別懇の間に免じて。「別懇も昨今もあるものか。可し我もたってお藤を呉れとは言わぬ。そん代に貸した金千円、元利揃えてたった今貰おうかい。と証文眼前に附着くれば、強情我慢の得三も何と返さん言葉も無く困じ果ててぞいたりける。
十七 同士討
高田はなおも詰寄りて、「妖物屋敷に長居は無益だ。直ぐ帰るから早く渡せ。「そりゃ借りた金だ抵当のお藤が居なくなれば、きっとお返済申すが、まだ家の財産も我が所有にはならず、千円という大金、今といっては致方がございません。どうぞ暫時の処を御勘弁。「うんや、ならねえ。この駄平、言い出したからは、血を絞っても取らねば帰らぬ。きりきりここへ出しなさい。と言い募るに得三は赫として、「ここな、没分暁漢。無い者ア仕方がねえ。と足を出せば、「踏む気だな、可いわ。踏むならば踏んで見ろ。おおそれながらと罷り出て、汝の悪事を訴えて、首にしてやる覚悟しやあがれ。得三はぎょっとして、「何の、踏むなどという図太い了簡を出すものか。と慌つる状に高田は附入り、「そんなら金を、さあ返済せ。