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いきにんぎょう

活人形

泉 鏡花

「探偵小説第十一集 活人形」春陽堂、1893(明治26)年5月3日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,111 字 · 82 页

青空文庫

「応、たしかにそう見える。が、実は我が殺したのだ。「ええ、お殺なすったか。「突然藤が居なくなったぞ。八、先刻からお録は見懸けまいな。「へい、あの婆様はどこへ行ったか居りません。「そうだろう。彼奴もしたたか者だ。お藤を誘拐して行ったに違いない。あの嬢はまだ小児だ。何にも知らないから可し、老婆も、我等と一所に働いた奴だ。人に悪事は饒舌まい。惜くも無し、心配も無いが、高田の業突張、大層怒ってな。お藤がなくなったら即金で千円返せ、返さなけりゃ、訴えると言い募って、あの火吸器だもの、何というても肯くものか。すんでに駈出そうとしやあがる。ままよ毒喰わば皿迄と、我が突殺したのだ。「それは好うございました。「すると奴さん苦しいものだから、拳でしっかりとこの通り短刀の柄を握ったのよ。「体の可い自殺でございますね。「そうよ。そこで己が旨い事を案じついたて。これからあの下枝を殺してさ。「下枝様を。「三年以来辛抱して、気永に靡くのを待っていたが、ああ強情では仕様が無え。今では憎さが百倍だ。虐殺にして腹癒して、そうして下枝の傍に高田の死骸を僵して置く。の、そうすれば誰が目にも、高田が下枝を殺して、自殺をしたと見えるというものだ。