轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页
さて、九段坂以来一ヶ月たった或日である。十一月の末だ。青木愛之助は上京して、二日目に、買物があって、ある百貨店へ出掛けた。百貨店はクリスマス用品の売出しで、非常に賑わっていた。
買物を家へ届ける様に頼んで置いて、一階へとエレベーターに這入った。普通の箱の三四倍もある、この百貨店自慢の大エレベーターである。
「混み合いますから、おあとに願います」
エレベーター・ボーイが、そう云って殺到する乗客を押し出した程の、身動きもならぬ満員であった。
ふと気がつくと、又もや人込みの中の品川四郎である。
彼は箱の向側の隅に、肥満紳士と最新令嬢の間にはさまって、小さくなっていた。
愛之助は地下鉄でサムを見つけたクラドック刑事の様に目を見はった。
彼は人のうしろに顔を隠して相手に悟られぬ様にしながら、じっと品川の挙動を注意した。肥満紳士、気の毒に、やられているなと思ったりした。
一階につくと、人波に押されて箱を出た。振向いて、若し品川と顔を見合わせたら、先方が極りを悪がるだろうと遠慮して、愛之助は何気なく出口の方へ歩いて行った。
すると、うしろから彼の名を呼ぶものがある。