轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页

青空文庫

麻酔剤

彼は門を入ろうとする乞食娘を突飛ばして置いて呶鳴った。

「案の定うせおったな。お前のことは、もうちゃんとこちらへ分っているのだ。一足でも門内に入れるこっちゃないぞ」

突き倒された美禰子さんは、余りのことに立上る力もなく、そのまま地面に顔をつけて、くやし泣きに泣き入ってしまった。

ふと思いついた「乞食王子」のいたずらが、こうまであのお伽噺の筋そのままに進展しようとは、思いもかけぬ所であった。だが、或はこうなるのが当然の運命かも知れぬ。世の中に私とあの娘の様に、まるで瓜二つの人間が存在することを、誰が信じるものか。対決をさせて見た所で、両方が同じことを主張すれば、現に令嬢の地位にいる方が勝利を得るは知れたことだ。それ故にこそ、お話の中の王子さまは、あんなにも御苦労なされたのではないか。と考えると、愈々望みが絶えた様な気がして、美禰子さんはただ泣く外にせん術を知らぬのであった。

麻酔剤

さて、お話の速度を少し早めなければならぬ。同じことをいつまで書いていても際限がないからである。

美禰子嬢はそれからどうなったか。白蝙蝠団の陰謀は見事図に当って、彼女は仮初の扮装が仇となり、とうとう乞食の群に身を落す運命となった、乞食となり下った伯爵令嬢の不思議にも痛ましき身の上、それを細叙したならば、恐らく一篇の異様な物語が出来