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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页

青空文庫

想像であるが故に、それは実際よりも…………………………、彼をさいなんだ。かれはそうした間接的な隙見の魅力というものを、初めて発見したのである。

長い長い間であった。しんしんと更け渡る冬の夜、暗闇の屋根裏で、併し彼等は寒さをも感じなかった。………………………………、殆ど彼等を無感覚にしてしまったのだ。

品川は遂に目を離して、青木の肩を引き寄せた。代って見よとの合図である。彼はもう、この上彼自身の奇怪な動作を見るに耐えなかったのであろう。

青木が代って、真赤な丸い幻燈絵が再び彼の前にあった。だが、それが何とまあ意外な光景であっただろう。貴婦人は曲馬団の女のつける様な、ギラギラと鱗みたいに光る衣裳をつけ、俯伏の品川四郎の背中へ馬乗りになっていた。馬は勿論着物を、…………………………。乗手の貴婦人も衣裳とは名ばかりで、近頃流行のレヴュウの踊子の様に、…………………。

そして、何と驚いたことには、馬の品川四郎は貴婦人の騎手を乗せて、首を垂れて、グルグルと部屋中を這い廻っているのだ。

馬の口からは真赤な腰紐が手綱である。乗手はそれをグングンと引いて、ハイシイハイシイと腰で調子を取って行く。