轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

03 下巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 页

青空文庫

幸子たちにはそんなことは負け惜しみとしか受け取れなかったが、しかしこの場合、当座だけでも独身生活をしてくれるなら、同じ家出をするにしても体裁が好いに違いなかった。

「きっとやなあ、こいさん。―――きっとアパート住まいするなあ?」

と、幸子はほっとしたように云った。

「―――そんなら、気の毒やけど、暫くそないして貰おうか」

「アパートやったら、あたしが時々行ったげるわ」

と、雪子が云うと、幸子も、

「ほんまやで、こいさん。云わんかて分ってるやろけど、何もそんなにむずかしいに考えることないさかい、ちょっと都合でアパート生活してる、云うことにして、誰にも家出したなんて云わんと置きなさいや。貞之助兄さんと悦子にさえ見られんようにしたらええよって、来たかったら昼間やって来なさい。此方からも始終お春どんを遣るさかいにな」

そう云っているうちに、幸子の眼も雪子の眼も濡れて来たが、妙子だけは冷静な、無表情な顔をして、

「荷物はどうしょう」

などと云った。

「洋服箪笥や何か、眼につく物は持って行って貰わんと工合悪いけど、大事な物は置いときなさい。アパートは何処にするのん」

「まだ考えてえへん」