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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
「ところで、あなた、如何でございますの?」
と今度は母親が頤でしゃくった。
「さあ」
「お気に召して?」
「器量は新太郎が迷う丈けのことはある」
「好いようでございましたわね」
「昨日から海岸へ行って見ているが、この節の娘さんは何処のも皆あんなだね。中には断髪をして男だか女だか分らないのがある」
「もう皆さんとお近づきになったんでございましょう?」
「新太郎が紹介して行ったから、松浦さんとは顔を合せると一言二言話す」
「私、その積りでもう一遍能く見て行きとうございますわ」
「一寸挨拶をして置くさ。これから時々来るんだから」
と夫婦は寛一君の想像通りそれとなく秀子さんを詮議する積りだった。
母親は二日置きに見舞った。父親はズン/\快方に向って、その都度退屈を訴えていた。新太郎君と寛一君は次の日曜に出掛けたが、着くと間もなく雨が降り出したので、海水浴どころでなく、半日ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーのお相手を勤めに行ったような結果になった。
「俺は損な性分で斯ういう遊び場へ来ると人一倍に退屈する」
とガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーは朝から欠伸をしていた。