轻松读懂日语经典作品
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
「少し海へお入りになっちゃ何うですか?」
と寛一君が勧めた。
「今更そんな年でもなし、游泳を知らないから駄目だよ」
「釣魚は如何ですか? 釣魚は。私の道具がありますよ」
と新太郎君が言った。
「松浦さんに誘われて一日行って見たが、あれはナカ/\修業が要る。第一根気が続かない」
「将棋の相手はありませんか?」
と寛一君が訊いた。
「俺の将棋はこの頃漸く駒の動き方を呑み込んだぐらいのものだから、迚も差すなんて言えない」
「御謙遜ですな」
「それに勝負事は何うも家業の邪魔になっていけない。松浦さんは碁を打つと見えて、俺に訊いたが、これは皆目分らない。実際芸なしは退屈する。こんな具合じゃ長くはいられそうもない」
「読書は頭脳にいけませんか?」
と新太郎君は成るべくゆっくり保養をして貰いたかった。
「戸棚の中にお前の本が沢山あったから出して見たが、俺は小説は昔から読んだことがない」
「それじゃ散歩丈けですな」
と寛一君は新太郎君が藪蛇になったのを見て取って早速気を利かした。
「然うさ。毎日海岸をブラ/\歩いている。しかし何処へ行っても若い丈夫な人間がノラクラしていると思うと、余り好い心持はしないね」