轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
「それじゃ私も御一緒に帰りましょう」
と寛一君は拠ろなかったが、
「いや、俺等は横浜へ寄るから」
とあって、それにも及ばなかった。
二人は駅まで見送った。汽車を待つ間、新太郎君は父親の側を離れずに何彼とお相手を勤めた。游泳の伝授中をお目に留まったのが気になって仕方がない。訊かれたら説明して誤解を正す積りだったが、父親は一向その機会を提供してくれなかった。寛一君は又伯母の思惑が苦になって始終側についていた。
「寛一や、お前は何時の汽車で帰るの?」
と伯母さんは時間表を見上げた。
「さあ、未だ定めてありませんが、何うせ日が暮れてからです」
「帰りに一寸寄って下さい」
「晩くなるかも知れませんよ」
「晩くても宜いのよ。私、明日の朝まで待っていられませんわ」
「伯母さん、些っとも心配はないんですよ。真正ですよ」
と寛一君は新太郎君の為めに保証した。
息子と甥に見送られて発車した西川夫婦は、長いこと無言で考え込んでいた。無論我儘な独息子の身の上である。
「あなた、私、心配で仕方がありませんの」
と母親が先ず囁いた。二等車は然う込んでいなかった。
「何うして?」
「あの娘は不良少女らしゅうございますもの」