轻松读懂日语经典作品
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
兎に角貰いたいことは私が保証します」
「そんな保証はして貰いたかないわ」
「けれども何うせ貰うものなら本人の気に入ったのが宜いでしょう?」
「それは然うですけれども、未だ身許も碌々分っていないじゃありませんか?」
「身許の確なことは私が保証します」
「保証ばかりしているのね。牛込弁天町の松浦何というの? お父さんは」
「さあ。お父さんの名は分りませんが、養子の方なら松浦……松浦……何三郎といいましたかな?」
「駄目ね」
「学校の卒業生名簿を見れば分るんですがな。新太郎さんの本箱に入っています」
「持って来て見給え」
「はあ」
と寛一君を二階へ立たせて、
「御覧。あの通り二人共謀になっている」
と伯父が苦り切った。伯母は忌々しそうな顔をしたが、何とも言わなかった。
間もなく寛一君は卒業生名簿を持って下りて来た。撥ったら直ぐにマのところが開いた。
「これです。松浦友三郎でした」
「どれ」
と伯父は眼鏡をかけて一応吟味した後、そこに枝折りのように挾んであった紙片を摘み上げた。
「何んでございますの?」
と伯母が伸び上った。
「おや/\、興信所の調査だよ」
と伯父は拡げて少時見入っていた。