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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
「九州日報」1924(大正13)年10~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页
復興式に支那式の色硝子の窓をはめて済ましているかと思うと、小学校のような平凡な家に北欧式の急傾斜な屋根を乗っけている……その近所に露西亜式の旧教会のような丸屋根がある……洋館に破風作りがある……と思うと、南米やアルプスあたりの絵はがきにある丸木小屋をわざわざこしらえたのもあるといったような始末……で、一面から見れば世界各国の建築様式の掃き集めと云ってよい。
ショーウインドや内部の模様はあまり管々しくなるから略するが、要するに外観と同様変化自在で、その大部分は俗悪な壁紙、色ペンキ、又はケバケバしいカアテンや鏡の応用であることは云う迄もない。
東京人は、その家が地震で潰れて、大火で焼けてしまうと、すっかり気がかわった。今までの江戸時代の名残、又は明治時代の建築の中にジッと我慢していなければならぬ境遇から、一時に解放された。
同時に、地震と火事でみじめにたたき付けられた気持ちのする反動が、これに加わった。そこへ市区改正を予期した、一時間に合せの気分が加わった。
そうした気分の東京人は、与えられたバラック建築の自由自在な手軽い特徴を利用して、持っている限りの建築趣味を発揮した。