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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
「九州日報」1924(大正13)年10~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页
文化とは「ブル化」?
文化とは「ブル化」?
東京人の憧憬する文化生活を研究するには、先ず「文化」という言葉の定義からきめてかからねばならぬ。
文化という言葉はバラックと同様あんまり有触れ過ぎて、どんな事を意味するのか訳がわからなくなっている。
文化生活、文化村、文化住宅、文化机、文化竈、文化タワシ、文化丼、文化饅頭、文化煎餅、文化まめとなって来ると、どこが文化なのか見当が付かぬ。
縁日に出ている停電用の燭台や電球蔽い、書翰箋やインキ壺まで文化と名づけてある。かと思うと、書物には文化出版、売り出しは文化的提供、文化的家具一式、叮嚀親切薄利多売は文化的広告なぞいう看板がある。
つまり安くて便利で重宝でハイカラなのが「文化」かと思うと、そうでもないらしい。
この頃、文化納豆というのが出来たというから八百屋(東京の)に行って見せてもらうと、羊羹包の位なヘギの折りに這入っていて一個十銭である。普通のが五銭だから、よっ程上等だろうと思って喰って見ると、只の納豆で別にかわった事はない。只高価いだけである。
生れつき頭の悪い記者は、念のため今一度買った八百屋に行ってきいて見たら、「今までの藁苞に這入っているのでは、そのままお膳に乗っけられませぬ。