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がいとうからみたしんとうきょうのりめん

街頭から見た新東京の裏面

杉山 萠円

「九州日報」1924(大正13)年10~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页

青空文庫

自己を嘲ける勿れ

であった。同様に時代は違っても、仏蘭西を亡ぼすものは仏蘭西国民、わけて巴里ッ子の「無自覚」である。英国の倫敦ッ子に於ける関係も同様であるという議論を、記者は方々で聴いた。

一国の首都の住民がその国の文化の粋を集めた生活に酔うと、その国民性の美点と弱点とを極度に代表した性格となる。これにあこがれた地方人は皆これを真似ることを名誉とするようになる。それはいいが、そのいいところはまねずに、まね易い頽廃的なところばかりをまねるために、国民一般が懦弱となり、センチメンタルとなる。遂には美しく果敢ない滅亡の床に喘ぐようになるのは、今も昔も同じことである。

こうして「江戸ッ子衰亡」の事実は、やがて大和民族衰亡の警鐘を乱打していることになるのではあるまいか。

否、これは疑問でない。明白な事実である。新東京の秋深きところ、十字街頭の見聞と所感が、自らここに落ちて来るのを拒否することが出来なかったのである。

自己を嘲ける勿れ

東京のバラック町をウジャウジャあるいている人間を、大別して二つにわける。古い江戸ッ子と新しい江戸ッ子と……。

古い江戸ッ子というのは、講談や落語に出て来るアレであるが、新しい「江戸ッ子」