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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
「九州日報」1924(大正13)年10~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页
犬と羊と熊の皮
も云わぬ。御利益のねだんは向うで勝手にきめて、ドシドシ賽銭箱に放り込んで行くのだから、お手に入ったもの。しかも自分ばかりでなく、まわりに大黒様だの何だの彼だのと、数十の神仏に元手要らずのデパートメントストアを出させて、何百年間大繁昌をして御座るのだから恐ろしい。おまけに御本体が一寸八分の黄金仏だとも云うし、木仏だとも云う。本当に御座るか御座らないか、それすらわからないのだから驚き入るほかはない。理想的と云っても現実的と云っても、天下これ以上の商法の名人はあるまい。
犬と羊と熊の皮
扨……観音様の商売振りには及びもないが、日本中の商店が浅草式の「無言正札」で、時間と人間経済の現代式一点張りになったとする。そうしたら只さえ人口過剰の日本は、フン詰まりになりはしまいかと云う人がないとも限らぬが、「心配無用」……。
雷門をくぐって、観音様の前を左へ行くとすぐにわかる。
第六区へ行く途中の往来に茣蓙を敷いて、白や黒や茶色の毛皮を十五六枚並べる。その上に日に焼けた若い男が前垂れをかけて鳥打を冠って、しきりにベランメー語を高潮している。
「どれでも構わねえ、手に取って見ておくんなさい。