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がいとうからみたしんとうきょうのりめん

街頭から見た新東京の裏面

杉山 萠円

「九州日報」1924(大正13)年10~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页

青空文庫

「商品の民衆化」とは

いずれも九州帝国大学の向うを張ったものらしく、ここに書くのも失礼な位である。

序にお医者様の方を挙げると、或るお医者様は排米問題が起るとすぐに、表に「米国人の診察お断り」という張り札をして都人士の眼を驚かした。その註に曰く……米国人は日本人を獣扱いにした……そんな獣の眼まで診察してやる義務はない……と。今に親米になったらどうするだろうと思うが、そんな事は構わない。目下の人気さえ取れればというつもりらしい。

「商品の民衆化」とは

今一つ、記者の「眼」を驚かした眼のお医者がある。銀座尾張町の四辻で電車を待っていたら、袢纏着の男がビラを一枚呉れた。活動の引き札かと思ったら大違い。

「あなたの眼は健康ですか。文明社会の生活では眼ほど大切なものはありませぬ。眼の良し悪しは直に一身の安危になるのですから、不断の注意を怠ってはなりません。おわかりになりましたならば、○○ビルディング何号医学博士の診察所へいらっしゃい。何曜と何曜は診察無料です」

という意味で、福岡市のお医者様でこんな事をやったら、忽ち仲間外れにされそうな広告である。

人格と徳義を最も大切にするお医者様の、しかも何々博士と銘打った人までがこうした最新式の営業振りを見せる程、震災後の東京の商売は発達しているのだから、他は推して知るべしである。