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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
「九州日報」1924(大正13)年10~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页
それが御維新後になると、急に八釜しい漢語になってしまったが、これは人民に政治をわからないものと考えさせて、お上のなさることに口出しさせないために持って来いの妙案かも知れぬ」
と。この言葉を味わって見ると、云うに云われぬ皮肉な意味が出て来て、思わず膝を打つようなところがある。
誰でも自分のわるいことを弁解をして塗りかくすためには、鹿爪らしい漢語を使うものである。勿体らしく構えて、腹の底を見すかされまいとする時も同様で、こんな場合に漢語位便利なものはない。
明治維新後、新政府の権威を見せるために、又は人民を煙に捲いてドンドン改革をして行くためには、法令でも、布告でも、何でも、漢語と片仮名で塗りかためて人民の前につき立てて、内幕をのぞかれないようにする必要があった。官僚や藩閥は漢語の蔭にかくれて、あれだけのわるいことをした。社会主義者なぞいうものは、人民の学力が進んで、この漢語の眼かくしが楽に見透かされるようになったために出て来た不平だとも云える。
海舟翁は、幕末の遺臣で、大勢に押されて江戸城を官軍に渡したとはいえ、新政府の連中の腹の中はちゃんと見すかしていた。