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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
「九州日報」1924(大正13)年10~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页
プロ文化の末路
こうした太平繁華の気分は、日本諸国の集まる勢を夢のように酔わした。
その中に行わるる激烈な生存競争は、彼等の神経を「生き馬の目を抜く」までにとんがらした。
この競争に打ち勝って、この盛り場に生存し得るという誇りは、彼等の感情を「誰だと思う、つがもねえ」まで昂ぶらせた。
こうして日本民族の中に選りに選った勝気な、飲み込みの早い、神経過敏な連中ばかりが、この新たに出来た平民の生存競争に居残って、益その平民的なプライドを高め、町人的日本魂を磨いて行った。
奇麗好き、率直、無造作なぞいう性格は極度にまで洗練されて、所謂江戸ッ子の中ッ腹となって現われた。
趣味の方も同様であった。気の利いたもの、乙なもの、眼に見えずに凝ったもの、アッサリしたものなぞいう、彼等の鋭い神経にだけ理解されるような生活品や見物、ききものがもてはやされた。そうして、そんな趣味のわからぬ者を、彼等は一切馬鹿にした。
事実彼等は一切の他国人の趣味を軽蔑した。そこには、彼等が日本中で最高の人種である「天下の町人」だというプライドが、云わず語らずのうちに流れていたのである。
プロ文化の末路
しかしこうした江戸草創時代の元気横溢した平民の気象――逃げ水を追つつまきつつ家を建てた時代の芳烈な彼等の意気組は、太平が続くに連れて、次第に頽廃的傾向即ちブル気分